studioflow からだの話ブログ

そのストレッチ・運動はあなたにとって本当に正しいことですか?

足首は回しても良い?

運動前のストレッチの一つとして、良くやる「足首回し」についてのお話から。

 

先日、ベーシッククラスに体験で参加された方が、レッスンが始まる前にマットに座られて、片方の足にもう片方の足首をかけて、手で持ってグルグル回しを始められた。

 

この動作、スポーツクラブのレッスン待ち時間に「あるある」…なんですよね。

 

現に、インストラクターが「足首を回しましょう!」って、教えているし…

 

関節の種類から確認する

人の身体のなかには球関節といわれる「まあるい」関節が二つあります。

 

球関節「肩関節」

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臼関節「股関節」

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股関節を「臼」と書くのは、ソケットが深いから。

「臼」と書いて「キュウ」と読みます。

 

では、足首の関節はどうかというと。

蝶番関節「足首…足関節」

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蝶番とは?

蝶番とは、開き戸・開き蓋などの開く建具を支え開閉できるようにする部品である。建築業界では丁番の表記、「ちょうばん」の読み方が主流である。英語のhingeからヒンジの呼称も使用される。 (ウキペディアより)

 

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蝶番

こういう形状の関節を、本当に回していいものか。

解剖学から足関節をみると、内果(脛骨)と外果(腓骨)に挟まれた距骨。

足首は「曲げたり、伸ばしたり」が本来のお仕事と思います。

 

爪先を床に付けて、足首グルグル。

そうして、私がやっておられるお姿に恐怖を感じるのが、足指の間に指を入れて、足首の力を抜いた状態で足首グルグル。

 

ちなみに…私は、自分で自分の身体を痛めることに、とても恐怖を感じます。

 

その足首回し、柔らかい足首を作っているのではなく。

甘い(捻挫しやすい)グラグラする足首を作っているのではないですか?

 

私の思うことまとめ

特に足首の辺りに筋肉は殆ど無い。

あるのは「腱」と「靭帯」

この子たちは、筋肉のように伸びたり縮んだりすることはできません。

一度伸びたら、伸びたままです。

だから「捻挫癖」と、いうものがある。

 

私は、アキレス腱のストレッチはお勧めします。

しかし、足首をグルグル回すのは、関節の形状からみてもおやめになる事をお勧めします。

 

足首を回すか回さないか。

選択はその方次第ですけど…。

 

追記

足指の間に指をいれるということは、指と指の間のスペースを開けるということ。

ですよね?

指と指の間のスペースが開く = 中足骨の間を開くということ

 

骨格標本の足指(中足骨)には、足裏の横アーチを作るためにバネが入れてあります。

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これ、横アーチが必要なんだと、骨格標本も教えてくれています。

さて、本当に足指の間隔を開けるべき?

どう思われますか?

 

私はこの寄せてくれる足裏の筋肉「拇趾内転筋」は伸ばすことより「縮めること」(横アーチを作る)ことの方が大切だと思います。

この拇趾内転筋が緩んでしまうと、ベタ足になって靴はワイド幅になってしまいます。

また、足裏の真ん中(第二中足骨底)にタコができちゃいます。